チーム医療は良好な人間関係が必要
スタッフ同士の連携が重要なチーム医療で求められているのは、自分の立場や役割をしっかりと自覚して行動することですが、患者さんの一番近くにいる看護師にはきめ細かい配慮や前向きな対応も求められます。ここではチーム医療における看護師の立ち位置やチームワークのあり方についてまとめていきます。
チーム医療で求められる看護師像
チーム医療をスムーズに実践するためにはスタッフ同士の連携が必要不可欠ですが、そのためには一人一人が自分の役割を自覚して行動し、他のスタッフを信頼し尊重しながら協力していくことが大切です。看護師は患者さんの一番近くで長く接する立場のため、常に明るい笑顔や素直な態度を意識し前向きに対応していくことが求められますが、医師からは患者さんの状態を正確に把握するために知識や技術を持っていることはもちろん、チーム医療のスタッフの一人として患者さんの様子の変化を的確に、そして迅速に報告することが求められています。
また、各専門分野との連携調整も行い協力し合いながら仕事をすすめていきますが、他職種の人と連携するためには基本的な人間性も必要です。しかし、残念なことに基本的な人間性を持ち合わせていない人も多く、良好な人間関係を築くのが難しい場合も少なくありません。
良好な人間関係の職場とは
看護師は他職種とのかかわりが最も多いため、協力し合わなければ仕事をすすめていくのが難しくなってしまいます。協力するうえで一番大切なのは「お互いを思いやる気持ち」「尊重し合う気持ち」ですが、もし一人でも思いやりを持てない、他人を尊重できない人がチームにいたらどうなるでしょうか。より良いケアの方向性を決めるためにお互いに意見を出しているのに、協力しない態度や冷たい態度を取る人がいれば意見をまとめることはできませんし、チームのスタッフ全員が嫌な思いをして雰囲気も最悪なことになってしまうでしょう。
社会人として仕事をするのであれば、相手のことを考えながら仕事をするのが当たり前です。相手のことを思いやり、どんな意見でも尊重していく姿勢が大切です。
チームワークのあり方
チーム医療では目的や目標に向かってスタッフの意識をひとつにしていきますが、その方向性にズレが生じてしまうとチームのあり方も大きく変わってしまいます。たとえば、チームで意見を出し合い治療方針が決まったにもかかわらず、看護師がひとつのケア方法に執着してしまうと他の人の意見に耳を傾けることが難しくなり、ケア方法が間違っていても気づくことができず看護ケアが不十分になってしまいます。しかし、人間関係が良好な職場ではお互いの意見を話し合い、目指す方向性にも納得しているため適切な看護ケアを行うことができ、よりチームとしてまとまります。