スムーズな連携をつくる「看護師」
患者さんが安心して治療が受けられるように、一番近くで環境を整えサポートするのが看護師です。そのため、看護師には患者さんとスタッフをつなぐ橋渡し役や、チーム内の調整役が求められています。
チーム医療のおける看護師の役割
チーム医療のスタッフの中で患者さんの一番近くにいるのが看護師です。看護師の仕事はチームの治療方針に基づいて治療をサポートすることですが、具体的には患者さんが安心して治療に専念できるように環境を整えたり、入院中のサポートをしたりなどです。患者さんの中には医師や他の専門のスタッフに自分の思いを上手く伝えることができない、治療方針をきちんと理解していない、などさまざまな思いを抱えている人も少なくありません。その患者さんの思いをくみ取ってチーム内に情報を提供し、より良いチーム医療の実践につなげるのが、患者さんの一番近くで長く接する看護師の役割です。
看護師は「キーパーソン」として連携を強化する
チーム医療をスムーズに実践するためにはスタッフ同士の連携が大きなポイントですが、はじめからスムーズに治療方針が決まり、治療がすすめられているわけではありません。意見を出し合う中で反対意見が出て衝突してしまうこともあるからです。そんな時に意見の調整役となるのが、患者さんと一番接している看護師です。看護師は看護のスペシャリストとして患者さんの治療にあたりながらも、チームが上手く機能するよう調整することが求められています。
ご家族との連携も
患者さんだけでなくご家族に対しての配慮やケアも看護師の仕事です。チーム医療は患者さんと各専門分野のスペシャリストだけで成り立っているわけではありません。患者さんの最も身近な存在であるご家族もチーム医療の一員です。患者さんの治療は入院中に主に行いますが、退院した後の生活やその後の治療などはご家族の協力が欠かせません。そのため、看護師は患者さんのためにご家族にも配慮していく必要があるのです。
これからのチーム医療に向けて
チーム医療が求められているのは病院だけではありません。超高齢化社会へと向かっている今の日本は、高齢化社会に対応できるよう進化しなければなりません。高齢者が安心して暮らすために必要不可欠な地域包括ケアシステムではこれまでの病院内の連携に加えて、介護との連携、市町村などの自治体との連携も求められています。
やがてくる2025年問題に向けて、地域包括ケアシステムにかかわるすべての人たちがそれぞれの役割や立場を理解して連携することが重要です。